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日本の郵便局とインドの生体認証

 

先日、郵便局のATMと窓口カウンターを行き来するお年寄りがいらっしゃいました。

 

どうやら、そのお年寄りはお金を引き出したいのに暗証番号が思い出せない、エラー続きでロックがかかってしまった、といった状態のようでした。

 

郵便局員の方とのやり取りから、お年寄りが近隣にお住まいで、長くこの郵便局を使っており、度々同様の事態が起きていて、暗証番号の設定・窓口での現金引き出しなどにつき、局員の方も度々助言・サポートをされていることがわかりました。

 

どちらも大変お困りのご様子。

 

局員の方にしてみれば、①暗証番号を共有して代わりにお金を引き出してあげるわけにもいかない、②ご本人が主張するように覚えやすいからと言って誕生日を暗証番号として奨めるわけにもいかない、③他のお客様の窓口対応もあり、いつもお年寄りのサポートができるわけでもない、なんとかしてあげたいのだけれど・・・といった心情でしょう。

 

「こういうときこそ生体認証では?」と瞬時に思いました。

しかし、多くの場合「生体認証+暗証番号」での対応(郵便局のホームページでもそう記載あり)が必要なわけで、結局、暗証番号が思い出せなければ同じような問題が起きることになります。

 

翌日、某新聞にインド政府の生体認証システムに関する記事が掲載されていました。

 

顔画像と指紋、目の虹彩画像を登録してID番号をもらう、”生体情報付きマイナンバー”と紹介されていました。

 

銀行口座をシステムに紐づければ、カードやスマホがなくても決済可能とのこと。指一本で決済が済むわけです。

 

利便性と安全性はトレードオフではありますが、複合的な技術や仕組みにより安全性のレベルを上げることは可能と思います。 

 

中国、インド、他の新興国でも、欧米や日本のように先に整備したインフラ等がないからこそ、新しい技術やサービスを導入しやすい。

 

新たなモデルは欧米からではなく、今後は新興国からもどんどん入ってくるでしょう。既にその動きは来ているようにも思います。

  

金融業界はフィンテックでいろんなベンチャーや技術が取り沙汰される昨今ではありますが、流行り言葉に踊らされることなく、まずは目の前のお客様のお困り事を解決して頂きたいなあと思いました。

 

いろんな事情や取組はあるのでしょうが、残念ながら少なくとも先日のお年寄りには届いていませんでした。

 

優れた技術も知恵も工夫も、必要な相手に届いてこそ。

事業の機会と企業や人の持つ強み、それを繋ぐ働きを今後もしていきたいと改めて思った出来事でした。

 

超高齢社会、課題先進国と言われる日本ですが、課題解決先進国にもなれるはず。

私共もコンサルティング・サービスを通じてお役に立っていきたいと思います。