いい会社がいい会社でなくなるとき

 

経営難に陥った日産を救ったと評価されてきたカルロス・ゴーン氏の報道が続いています。

自動車業界がデジタルによる急激な変化に見舞われるなか、同社は本来注力すべきところにエネルギーをかけられなくなっているのではないかと気になります。

 

ところで、日産は皆さんにとって「いい会社」でしょうか?

 

No」と答えた方は今回のゴーン氏の報道が原因ですか?

それとも以前から日産はいい会社ではないと思っておられたのでしょうか?

それはなぜでしょうか?

 

そもそも「いい会社」とは何でしょうか?

 

あなたの考える「いい会社」の条件は何ですか?

日産はどの条件を満たしている or いないから、Yes or Noなのでしょうか?

 

大手企業ならいい会社ですか? 一部上場企業ならいい会社でしょうか?

 

売上100億円なら、1兆円なら・・・? 黒字であればいい会社?

業績が伸びていること? 利益率が高いこと?

 

無借金なら・・・? ROE(自己資本利益率)8%以上なら・・・?

株価が上がっていたら・・・? 配当が良かったら・・・?

 

高い技術、良い製品・サービスを持っていたら・・・?

顧客の言うことに何でも応えられたら・・・?

 

従業員にやさしかったら、いい会社?

 

日産はクルマの会社だからよくわからないというのであれば、SONYはいかがでしょう?

 

魅力的な製品を世に出し、一世を風靡したこともあるSONY

 

長い低迷を経て、20年ぶりの最高益更新と話題になった2018/3期は売上8.5兆円、営業利益は7,349億円となりました。20193月期の連結純利益も前期比70%増の8350億円、2期連続最高益とされています。

 

2012年から社長となり、SONYの建て直しを主導したとされるのが平井一夫氏(2018年4月1日退任、現会長)。

 

ちなみに、ゴーン氏で注目が増した役員報酬。

2018/3期の平井氏の報酬は総額約27億円。当時、日本の上場企業経営者トップとして話題になりました。基本報酬に加わる業績連動報酬や株式退職金などの影響が大きいです。(cf. 当時の報道ではゴーン氏の報酬は7億円強。トヨタ自動車の豊田章男氏の報酬は4億円弱)

 

さて、本題に戻って、今のSONYはいい会社でしょうか?

 

もしNoと思われるなら、それは今までずっと? それとも今のSONYNo

仮に今のSonyNoなら、いつのSONYYesだったのでしょうか?

 

「いい会社」の定義は人それぞれだと思います。

 

その人の立場や、その人とその企業との関係性にも依るでしょう。

ユーザー、取引先、経営者、従業員、銀行、投資家、地域住民、それぞれの立場や関係によって「いい会社」は異なるかもしれません。

 

あなたが経営者で自分の会社を「いい会社」にしたいと思ったとき、それはどんな会社を指しているのでしょうか?

 

先程の問に加えて、ご参考までに2人の経営者が定義した「いい会社」をご紹介します。

 

ひとつは伊那食品工業株式会社です。かんてんぱぱで有名な寒天メーカーです。

 

同社の「いい会社」の定義は「単に経営上の数字が良いというだけでなく、会社をとりまくすべての人々が、日常会話の中で『いい会社だね』と言ってくださるような会社」です。

 

同社の社是は「いい会社をつくりましょう~たくましく そして やさしく~」です。

 

ちなみに、同社は顧客の要望をいつでも何でも聞く会社ではありません。

以前、その理由を同社の井上社長から直接お伺いし、とても共感しました。

 

もうひとつは鎌倉投信株式会社です。

独立系で投資信託を販売、運用している会社で、事業会社に投資する投資家の立場です。

 

同社のいい会社の定義は「持続的に社会に必要とされる企業」です。

それは次の3つで構成されます。

 

    『人』(人財を活かせる企業)

    『共生』(循環型社会を創る企業)

    『匠』(日本の匠な技術・優れた企業文化を持ち、また感動的なサービスを提供する企業)

 

両社のトップに直接お話を伺ったことがありますが、両社の「いい会社」が意味するものはほぼ同じだと思います。

 

鎌倉投信の鎌田社長に「いい会社がいい会社でなくなるとき、その原因は外部環境 or 内部環境、どちらにあると思われますか?」とお尋ねしてみたら、鎌田社長は「内部環境」と即答されました。極めて同感です。

 

社内という内部の事情から経営が停滞し、じり貧になり、場合によっては倒産に至る企業もあります。これは規模の大小に限りません。

 

会社はある日突然ダメになるわけではありません。予兆があります。

 

メディアの影響もあり、デジタルというテクノロジーについては意識されるようになってきましたが、それ以外にも外部環境は大きく変化してきています。

 

内部で内輪揉めなどしている場合ではありません

「内(内部環境)」を強化し、激変する「外(外部環境)」への備えが必要です。