コンサルタントに頼む、その前に・・・その1

 

T&Iアソシエイツ代表の田中薫です。

 

コンサルタントに医師や弁護士のような資格は必要なく、免許は不要です。

誰でも名乗ることができます。

 

英語の「consult」は相談する、専門家に助言を求めるなどの意味ですから、いろんな言葉につけて「○○コンサルタント」と名乗ること自体は問題とはなりません。

 

経営コンサルタントの国家資格として、中小企業診断士という資格がありますが、この資格がなければ経営に関するコンサルティングができないわけでもありません。

 

資格があってもなくても、もっと言えば大手コンサルティング会社のコンサルタントであってもなくても、優秀で良心的なコンサルタントもいれば、そうでない人もいます。

 

資格も企業名もあくまでひとつの目安。このことは他の資格、業界と同じです。

 

では、皆さんがコンサルタントに相談したいとき、どういうコンサルタントを探したらよいか?

 

まず、以下3つの質問で、ご自分(自社)の状況を確認してください。

 

Q1:いま、自分(自社)はどこにいるか? 将来どこを目指しているか?

Q2:やりたいこと、コンサルタントに求めているものは明確か?

Q3:コンサルタントに相談する自分を客観的に見てくれる人は身近にいるか?

 

Q1では下図を参考にしてみてください。場合によっては、縦軸を「業績」ではなく、「財務状況(横線より上が良、下が不芳)」に置き換えてみても良いと思います。

 

 

 

 ※上図の縦軸や①~④はあくまでご参考までに単純化したものです。

 

 

Q1とQ2がすぐ答えられる方は、おおよそ現状と目指す方向をご自身で認識しており、目指す方向に向かうために障害となっている問題を解決する手段・方法(What/How)をコンサルタントに求めておられます(探しているのはWhat/How系コンサルタント)。

 

この場合は、ご自身(自社)が求めるコンサルティングサービスを提供する企業をWebや口コミ、商工会議所やよろず支援拠点などの助言等を参考にしながら、QCD(品質、価格、納期)でご判断されることになります。

 

QCDにおいては、複数のコンサルタントに相見積もりを取ることで、コンサルタントの差異を見ながら、相場観やご自身(自社)の判断軸を見つけることができると思います。

 

それでも心配という方は、Q3の対象となる方(例えば、経営者仲間や周囲の信頼できる人々)に助言を求めるとよいでしょう。

 

Q1とQ2がすぐ答えられない方 or 上図の縦軸に「業績」のような定量的な数字ではなく、定性的なものを求めておられる方は、現状の整理、自社のありたい姿といった本質的な問題(Why)と向き合う必要があります(探しているのはWhy系コンサルタント)。

 

以上のように、コンサルタントはWhat/How系コンサルタント、Why系コンサルタントの2つがあります(この分類は私流です(笑))。

 

実は、上記のWhat/Howの問題の裏には、より深いWhyの問題があることが多いです。

 

Why系コンサルティングはWhat/How系のコンサルティングより時間がかかります。

そこまで踏み込んで取り組むか否かは、皆さんのご希望とご事情によります。

 

ちなみに、私はWhy系コンサルタントです。

モヤモヤしてうまく整理できない状態のご相談に応じるのが向くタイプです。

 

もっとも、最初からWhy系だとわかっておられる方は少ないので、What/Howのお話からWhyのお話になることもあります。得意分野だからといってそちらに誘導することはありません(笑)

 

ただ、第二創業や変革時代の事業創造を求めている企業は、What/Howといった比較的短期の問題解決ではなく、Whyからじっくり向き合う必要があります。

 

とはいえ、企業経営はスピードが大事。Whyという難問を比較的短い時間でご提供することも大事で、これを私は強みとしています。

 

Whyで全体の方向性を決めて、必要なWhat/Howに落とし込んでいくことで結果的に遠回りをせずに済むこともあります。 

 

What/How系のニーズは幅が広いので、T&Iアソシエイツのコンサルタントだけでは不十分と判断する場合に、他のコンサルタントや専門家をご紹介できるよう、連携先を増やしてワンストップでお応えできるよう努めております。

 

 

※大手企業の方 or もう少し違った観点でコンサルタントについて知りたい方は、昨年末(12/28)のブログ「外部資源を効果的に活用するためのヒント」もご参照ください。