T&Iアソシエイツ代表の田中 薫です。
最近、TVでトヨタ自動車の「トヨタイムズ」のCMを見かけます。
同社社長である豊田章男さんが運転する車で俳優・歌舞伎役者の香川照之さんが車中インタビューしている、あのCMです。香川さんの熱量溢れる話しぶりと、とても楽しそうに運転している章男社長の姿が印象的です。
2017年夏にホームページ開設と同時に始めたこのコラムでも早くからトヨタを取り上げてきました。
“これから起きる極めて大きな変化”をお伝えするには、日本の代表企業であるトヨタを通してお伝えするのがよいと考えたためでした。章男社長が持っておられる危機感を、そのご発言から感じていたのも取り上げた理由のひとつでした。
2017年の時点ではまだまだ大手企業であっても、“これから起きる極めて大きな変化”はなかなか認識されていませんでした。経営者や現場の一部の人たち、エンジニアや若者が危機感をもっていても、事業本部長、セクター長、事業企画関係者あたりではモヤモヤしていた企業が多かったと思います。
このコラム自体、T&Iアソシエイツの活動自体がそのような情勢の中で、大手企業に属する個人や中堅中小企業の経営者の方々に「“これから起きる極めて大きな変化”に備えて頂くためにできることをしよう!」と思って始めたものです。
先に危機感をもった人々の活動、国を挙げての取組、メディアの報道などもあり、この1年でいろんなことが見えてきたと思います。より多くの人が”今なんとなく起きていること”や” これから起きそうなこと”をイメージできる状況になってきたのではないでしょうか?
まだピンとこないと思われる方は変化への備えを焦らずにお急ぎください。
我々は望むと望まざるとに関わらず、“いま起きている極めて大きな変化”の渦中にいます。
渦中にあってこの大きな変化にどう向き合うのか?
受け身の状態でカオスのなかで翻弄されるのか or カオスと自らを一度俯瞰、客観的に捉え直し、自らが進む道筋を見出すのか?
そしてどこへ向かうのか?
「トヨタは、どこへ向かうのか。」
トヨタイムズはトヨタが進んで行く道筋を内外に伝えるために始められたものでしょう。
章男社長が自問自答しながらイメージした未来、そこでのトヨタの姿、その実現に向けて取り組んでいる現場の人たちを第三者である香川さんの目を通して伝えていく、トヨタイムズは素晴らしい企画だと思います。
「トヨタイムズ」という名前はトヨタ×(ニューヨーク)タイムズがベースにあると思われますが、トヨタイムズから滲み出ているのはやはりトヨタイズムではないでしょうか?
そしてそれを体現するトップ、章男社長のワクワク感も最近の映像からは滲み出ているように感じます。
以前は“好業績のなかで危機感を醸成する”という困難に取り組んでいたせいか、メディアの報道からは章男社長の笑顔もワクワク感もあまり見られませんでした。しかし、今回のトヨタイムズの映像からは笑顔やワクワク感、章男社長がクルマを好きで好きでしようがないこと、クルマを、トヨタを本当に愛していらっしゃることがよく伝わってきます。
確実な未来なんて誰にもわかりません。そのことは章男社長ご自身も仰っています。
それでも、自分はこうありたい、こんな未来にしたい、だから試しながらみんなと一緒にやっていく、自問自答の末、章男社長はそう思われたのだと思います。
以前のコラムで“トヨタ自動車という社名から「自動車」が消えるのも時間の問題でしょう”と書きました。
社名から製品名が消えても「残るもの」があるはずです。その「残るもの」こそその企業の核となるものでしょう。削って削って最後に残るもの。
皆さんの会社の核となるものは何でしょうか?
皆さんの関係する先、自社/所属先 or 取引先はどこに向かっているのでしょうか?
どこに向かっているかを皆で共有できているでしょうか?
そこにワクワク感はありますか?
トヨタイムズのロゴには「未来を、どこまで楽しくできるか。」という言葉が添えられています。
自社の再定義が未着手 or 再定義したものの共有や腹落ち感が不十分、そのような状態であれば、まずは「自分たちが考える楽しい未来とは何か、ワクワクする状態とは何か」から思考を開始 or 再開されてもよいのではないでしょうか?
宜しければこちらもご覧ください。
・TOYOTA vs. Google時代の思考(2017/09/12)
“いま起きている極めて大きな変化”への対応をこれから考えるという方は、T&Iアソシエイツのホームページ、トップ画面からご覧頂き、過去のコラムもご参照頂ければと思います。
T&Iアソシエイツでは変革期に必要な企業や事業の再定義、そこで求められるコンセプトやストーリーを共に創るお手伝いをしております。