T&Iアソシエイツの田中です。
急速な成長は時に痛みを伴います。企業の成長過程ではリーダー、メンバー共に果たす機能や役割が異なっていきますが、うまく適応できない場合は心の健康に負の影響をもたらしてしまいます。
今回はメンタルヘルスとチームの成長について、前回に続き、音楽業界で活躍する2人のアーティストを事例に考えます。
ロックバンド、サカナクションの山口一郎さんは楽曲制作を中心にこれまでバンドを牽引してきましたが、バンドの成長に伴い、大きくなる責任や重圧を無意識に一人で背負い過ぎてメンタルヘルスに支障をきたしてしまいました。
SEKAI NO OWARIのFukaseさんは過去に心の病を経験したことでも知られます。Fukaseさんは多くの楽曲を手掛けますが現在はバンドのリーダーではなく、一歩引いたところから最終的な統括に徹しているとされています。
チームの成長に伴い、リーダーが関わる仕事の質や量は変化し、求められる機能や役割も変わっていきます。その質や量の変化についていけなくなったとき、心に不調が現れます。リーダーのメンタルヘルスとチームの成長を考えると、リーダーが担う役割や機能をチームの成長にインパクトが大きい部分に絞っていくのが妥当な判断と言えます。
また、リーダーの交代も重要な選択となります。このとき、チームの成長に貢献してきたリーダー個人が持っている能力や性格、特性に配慮が必要です。リーダーとメンバーが納得して、個人とチームの持続的な成長に貢献できる状態とする必要があります。
最近では、スタートアップ企業でもリーダーの前向きな交代が散見されます。
急成長を遂げ、株式上場を実現した後に新たなサービス開発や新規事業に専念するとしてCEOを降りるケースが出ています。個人やチームの選択として参考になるものでしょう。
T&Iアソシエイツでは、リーダーシップやチーム力を高めるワークショップ型コミュニケーション研修、プロジェクトチーム運営に関するサポートを提供していますので、お気軽にご相談ください。