To youとWith youの違い

 

※以下、To youとWith youの違いを述べますが、支援者はコンサルタント、被支援者(支援を受ける人)はクライアント(お客様、コンサルティングを受ける人や企業)と読み替えてください。

 

To youで行われる支援は一方向、With youで行われる支援は双方向です。

 

To youでは、何らかの手段、手法を知る支援者が支援者の経験を踏まえて、知識やスキル(What/How)を教え、被支援者に指示、指導します。

 

To youはいわば、支援者の力を「与える」支援です。

 

With youでは、支援者は被支援者と対話しながら、傾聴と共感的理解をもって、必要に応じて、被支援者に適切と思われる手法や考え方、情報を提供します。

 

被支援者の状況を整理し、被支援者と共に今後を考え(Why)、被支援者が意思決定や行動をしやすい状況を作ります。

 

With youはいわば、被支援者の力を「引き出す」支援です。

 

To youでは、支援者が被支援者のゴールを「あるべき姿」として決めます。

 

With youでは、被支援者が自らのゴールを「ありたい姿」として決めます。

 

それがどうしても難しい場合は、被支援者との対話を通じて、支援者が被支援者の「望ましい姿」として、「こういうことでしょうか?」と被支援者に提示し、被支援者が納得したり、修正したり、選択したりして決めていきます。

 

支援という言葉には、広義と狭義の意味があると思います。

 

一般的に言われる「支援」は、困難に直面している人を意識的にも無意識的にも弱い人と捉え、強い人が弱い人を「支える」意味合いが強いです。

 

これがTo youで、狭義の支援に当たります。

 

To youは、下手をすると、被支援者の支援者に対する依存を生んでしまいます。被支援者は支援者がいなければ、現状の維持も成長も困難となってしまう懸念があるのです。

 

このときの支援者と被支援者の関係性を「縦の関係性」と私は呼んでいます。

 

上下関係に近いもので、被支援者は永遠に支援を必要とする「他律」の状態になります。これでは自立に繋がりません。

 

With youは、広義の支援です。

 

With youでは被支援者を弱い人、誰かが支えてあげなければいけない人とは見做しません。

 

被支援者は一時的に何らかの事情で、本来の力を発揮できない状態にある人と見做します。

 

With youにおける被支援者と支援者の関係性は対等、フラットなものであり、「横の関係性」と私は呼んでいます。

 

With youは、被支援者の「自立」とそのための「自律」に向かって行われる支援です。

 

被支援者の状況によっては、To youの支援を一時的に用いらざるを得ないこともあるでしょう。しかし、本当に被支援者を思うならば、できるだけ早くWith youへ支援を切り替えていくことが大切だと思います。

 

同じようなことは、人が人を支援する、組織が組織を支援する、あらゆる場面に言えると思います。

 

親が子に、先輩が後輩に、先生が生徒に、上司が部下に、社長が社員に、健常者が障害者に、介護者が被介護者に、医師が患者に、先進国が途上国に、といった具合です。

 

To youとWith youの根本的な違いは、被支援者に対する見方や捉え方にあると思います。

 

With youの根底には、相手が被支援者であること以前に、人として、相手に対する信頼と敬意があります。人間の可能性に対する根本的な信頼があります。

 

被支援者は自ら考え、選択し、行動できる、自らの問題を解決できる人です。

 

支援者が問題を解決するのではありません。支援者は、被支援者が問題を解決しやすくなるように、必要に「応」じた「援」助(応援)をするだけです。

 

 

※ご興味のある方は、2018/5/26ブログ「相手の能力を奪わない支援へ」もご参照ください。