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平成の終わりと令和の始まりの間

 

T&Iアソシエイツ代表の田中薫です。

 

平成という時代を敗北の時代と位置付けたメディアもありましたが、個人的には平成は停滞の時代と思っています。

  

スピードを出していた自動車が何ら方向感を持つことなく、これまで来た道の延長線を徐々にスピードを落としながら惰性でダラダラと進んで行くような、ちょうどそんな感じです。

 

途中、天災や人災に遭遇し、一喜一憂しながらも、方向感は持たないまま進んできた、そんな感じがしています。

 

平成を振り返る報道にあまり納得できるものはありませんでしたが、ここ数日たまたま目にしたものの中で、少し印象に残ったものについて触れておきたいと思いました。

 

ひとつは、ITの世界の人を取り上げることで平成を振り返ったもの。

亡くなったヤフー株式会社元社長の井上雅博さん、Winny開発者の金子勇さんを取り上げた番組です。

 

井上さん、金子さんが考えていたことと周囲の方々の話は興味深かったです。

 

個人的には、ヤフーという企業の登場、若者だったヤフーという企業がオジサン企業となっていくなかで行った諸々のこと、その時々の状況と環境、それらに対して当時の自分が考えていたことなどを思い出しながら番組を見ました。

 

Winnyについても同様で、当時の報道とその後、ビットコインの登場、ブロックチェーンの初期報道、その時々の状況と環境、自分がその都度考えていたことを振り返りました。

 

もうひとつは、音楽の世界の人を取り上げることで平成を振り返ったもの。

松任谷由実(ユーミン)さんが出演した経済番組です。

 

こちらはあまり興味深いものではありませんでした。

 

個人的には、そもそもユーミンの音楽は昭和の音楽だと思うので、平成の振り返りで取り上げるのは適切なのだろうか?と思いました。

 

それでも幾つかの点でユーミンに聞く意味はあると思ったのですが、残念ながら、コメンテーターの方とのやり取りはそこまで深まったものにはなりませんでした。

 

むしろ、コメンテーターの男性がユーミンに発した質問の内容から、平成が停滞した理由を改めて確認する思いがしました。

 

それよりも、ユーミンの「私で生きていく」という言葉に共感した10代の女性の話の方が興味を惹きました。

 

外部環境はコントロールできない。コントロールできるのは自分のみ。

外部環境の変化を自分事とし、いつの時代も他律ではなく、自律でありたいものと改めて思ったこの数日でした。

 

ちなみに、前回のコラムで、日経新聞論説への異論という形で、平成の時代について書きました。

 

そこでは産業転換の遅れと担い手づくりの問題を取り上げました。

 

産業政策(国・行政レベル)の話はいったん横に置き、既存企業の変革と新興企業の事業創造(民間・企業レベル)について書きました。

 

前回のコラム以降、個人的にもう少し企業レベルの深掘りをし、さらに個人レベルの掘り下げもしてみましたが、このコラムでは敢えて書きません。

 

企業レベルも個人レベルもいろいろな角度、観点から書くことはできると思いますが、この辺で終わりにしたいと思います。

 

 

宜しければ以下もご参照ください。

新聞深読:「平成の敗北 なぜ起きた」の記事から

新聞深読:「平成日本 失速の研究~日の丸半導体 4つの敗因~」記事から

新聞深読:「教科書を信じるな!」~柳井正氏インタビュー記事から

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