働き方改革と素朴な疑問

 

最近、働き方改革に関する講演のご依頼が続きました。

 

人事・労務関連であれば本来は社会保険労務士などの専門家の範疇といえるのですが、主催者のご意向を鑑み、私なりにお伝えしたいことを経営者の方々にお伝えしました。

 

お陰様で働き方改革がなぜ求められ、どう考えて取り組んでいったらよいのか、ご理解を頂けたようでホッとしています。

 

ところで、私は元来いろんなことに疑問をもつ人間で、多くの人が気に留めないことでも妙に気になるタイプです。

 

働き方、その環境についても、若い頃から素朴な疑問を沢山もってきました。

 

     なぜ、毎日会社に行かなければならないのか?

     なぜ、そんなに残業したがるのか?

     なぜ、そんなに会社にいたがるのか?

 

     なぜ、そんなにおじさんは会議が好きなのか?

     なぜ、まだまだ元気なおじさんが60歳で定年して会社を辞めなければならないのか?

 

     なぜ、女性はいわば事務部門にばかり配属になるのか?

     なぜ、女性は結婚や出産で辞めなければならないのか?

     なぜ、女性には産休、育休があるのに男性にはないのか?

 

     なぜ、一般職の人は総合職に転換できないのか?

     なぜ、一般職は女性だけなのか?

     なぜ、一般職というだけで優秀な人でも待遇が良くならないのか?

 

     なぜ、同じような仕事でも、正社員と非正規の人で待遇が異なるのか?

     なぜ、非正規というのか? 正社員と呼ぶのか?

     なぜ、社歴が長いというだけで一定以上の職位と報酬が保証されるのか?

 

     なぜ、一度休んだり、辞めたりして、戻ってくる仕組みがないのか?

     なぜ、暇な時期でも好きなことをする、まとまった休みが取れないのか?

 

     なぜ、障がい者の人の採用、定着は進まないのか?          などなど

 

こうして挙げてみると、入社時から私の疑問は一緒に働いている人のいろんな状況に向けられていて、その時々の会社や雇用環境の変化と共に変わっていったことがわかります。

 

私自身は「どうしても嫌なら、変えるために働きかけるか or 辞めるか すればいい」くらいの感覚で働いていたので、それほど大きな不満はなかったのですが、会社の制度や働く人を見ていて疑問はもっていました。

 

疑問に対し、これは言った方が良いのでは?と思うことを会社に提言したり、人事部門へ異動願いを出したりもしましたが、面倒くさい人と思われたのか、なかなか通りませんでした()

 

上に挙げたもののなかには今ではもう解決されたものもありますが、企業毎に取組が異なる、あるいはまだ解決していないものもあります。

 

いずれにしても、一貫して私が疑問の裏で暗に実現を求めていたのは恐らく次の3点だったと思います。

 

・それぞれの人が、自らの価値観やライフスタイルにあった働き方を、その時々に応じて、主体的に選べること

 

・それぞれの人の潜在力が引き出される状況にあること

 

・それらを実現する制度、環境づくりには当事者も参加し、透明性と公平感、納得感があること

 

今はどこもかしこも人手不足。

昔ながらのレッテル貼り、バイアス、制度や手法では、働いてくれる人を確保できない事態にもなっています。

 

人と仕事とのマッチングもうまくいっていません。

短期に楽に解決しようとするのにも無理があります。

 

若い頃、サラリーマン時代に発見?()したことのひとつとして、「多くの仕事は誰かの言い訳のためにある」というものがあります。特に大きな組織に言えることです。

 

その言い訳が生まれる理由は2つあります。

 

ひとつは、職務に忠実であろうとして生まれるもの、もうひとつは、その人が自分の身を守ろうとして生まれるもの、です。

 

少ない時間で少ない人数で成果を出そうと思えば、業務を見直す必要があります。

そのとき、それぞれの人の言い訳と言い訳が生まれる背景にも目を向ける必要があると思います。

 

いずれにしろ、多様な働き方を実現する柔軟な制度設計とそれを支えるテクノロジーの活用、何より働く人同士の相互理解、互いへの敬意信頼がベースになければ、働き方改革は意義あるものにはならないと思います。