コンサルタントに頼む、その前に・・・その2

 

T&Iアソシエイツ代表の田中薫です。

 

前回のブログ(2018/09/05)で、コンサルタントの資格や種類について触れ、皆さんがご自身(自社)の状況を踏まえたうえで、どういうコンサルタントを選ぼうとしているのかを意識して探すこと、探すうえでのヒントを書きました。

 

目で見たり、触ったりできる製品と異なり、コンサルティングのような無形のサービスは、外からその質を判断することは難しいです。

 

スマートフォンや冷蔵庫などのように、カタログでスペックをチェックすることもできません。同じサービス業でも、飲食やヘアサロンのように気軽に試すことも難しいです。

 

一言でコンサルティングといってもいろいろありますが、少なくとも経営コンサルティングについて言えば、医療に近いものと考えられます。

 

人それぞれ体質や表れている症状が異なり、考えられる病気の種類も治療法も沢山あるなかで、自分にあった医師を見つけるのはなかなか難しいですよね。

 

患者と医師の関係はクライアント(お客様、発注者)とコンサルタント(受注者)の関係に似ています。

 

医師と同様、コンサルタントにも、お客様に関する情報に守秘義務がありますし、コンサルティングサービスは各人・各社のノウハウ的なものが多く、詳細にホームページなどで情報を開示することが難しいため、益々、新規のお客様からはわかりにくいものとなります。

 

このため、前回ご紹介したQCD(Q:品質、C:コスト、D:納期)のうち、Qのサービス品質をどう判断するかはお客様にとって非常に難しいと思います。

 

それでも納得のいくサービスを提供してくれそうなコンサルタントを選ぶにはどうしたらよいか?

 

今回はそのためのヒントをお伝えしたいと思います。

 

コンサルタントを選ぶとき、コンサルタントに事前相談に行くと思います。

通常、事前相談は無料が多いですが、場合によっては有料のところもあるかもしれません。

 

後々後悔しないように、事前相談の機会を有効に利用してください。

 

前回ご紹介したWhat/How系コンサルタント以上に、Why系コンサルタントに依頼する場合 or Why系のテーマに内容が及んでいる場合、発注側(皆さん)と受注側(コンサルタント)の間のズレが大きくなりがちです。

 

こうしたズレを防ぐうえでも、下記3つの質問を念頭におきながら事前相談に臨んで下さい。

 

Q1:コンサルタントと皆さんのどちらが話している時間が長いか?

Q2:コンサルタントの言葉はわかりやすいか?

Q3:コンサルタントやコンサルタントの言葉に何か心に響く、印象に残るものはあるか?

 

上記の質問は、コンサルタントが自分(コンサルタント)基準 or お客様(皆さん)基準の人なのかを知るひとつの目安になります。

 

Q1で、話す時間が長いコンサルタントは、皆さんではなく、自分(自社)の利益を最優先にしている可能性があります。契約を取りたい気持ちが先走り、「売らんがな」の姿勢になっているかもしれません。

 

Q2で、コンサルタントの話す言葉がカタカナや専門用語が多くてわかりづらい場合、これもお客様(皆さん)の目線に立っていないことがわかります。

 

Q3は、What/How系コンサルタントではあまり重要ではないかもしれませんが、コンサルタントやコンサルタントの言葉が何か皆さんの心に響く、印象に残るものである場合、それはコンサルタントが皆さんに共感している or 本質に近いことをコンサルタントが言っている or 本質を知ろうとしてコンサルタントが質問していることが多いです。

 

向かい合っているコンサルタントは、皆さんと同じ目線に立っているか or 同じ目線に立とうとしているか、皆さんの不安や困っている状況を理解、共有しようとしているか、コンサルタントの様子をよく観察してみて下さい。

 

本当の意味で、お客様のことを考えて対応しようとするコンサルタントは、傾聴と共感の姿勢で一生懸命皆さんのお話を聴こうとするはずです。

 

「聴」いてくれるコンサルタントか、「聞」くor「訊」くコンサルタントか、注意深くみて、そのコンサルタントが信頼できそうか否か、最終的に判断してください。

 

価格や納期も大事ですが、それらを優先するあまり、結果的に時間や経済的な損失が大きくならないように気を付けてくださいね。

 

最後に、本当にお客様のことを考えるコンサルタントは、自分の専門領域、得意・不得意を知っています。自分(自社)基準で売上のために受注獲得を優先して、事後にお客様の不満を呼ぶようなことはしません。

 

自分の得意分野ではない or 自分でも対応ができるけれど、このお客様には別のコンサルタントや専門家をご紹介したほうがより良いのではないか、と考えるからです。

 

この点も、コンサルタントを選ぶひとつのヒントになると思います。

 

 

※前回のブログ(09/05)(「コンサルタントに頼む、その前に・・・その1」)はこちらから。

 

※昨年末(2017/12/28)のブログ「外部資源を効果的に活用するためのヒント」もご参照ください。