「自分をアウトプットする」ということ

 

TIアソシエイツ代表の田中 薫です。

 

皆さん、いろんなお悩み、お困り事を抱えてご相談にいらっしゃいますが、「こんなことで困っている。何か方法はないか?」「相談したいのはこれ!」という具体的なお問い合わせに紛れて多いのが、実は「何を聞きたいのかわからない」というご相談です。

 

もちろん、ご相談に見えるときは「起業について知りたい」「ITについて相談したい」と「相談内容」を仰るのですが、よくよくお話を聴いていると、実は本当に知りたいこと、相談したいことは別にあるということがよくあります。ご本人が「何に困っているのかわかっていない」状態なのです。

 

ご相談者はそうした自覚をお持ちでないのが普通です。

自分が何に困っているかわからないとき、相談内容を具体化することはできません。学校の授業で「わからないこと」がわからないときに質問はできないのと同じです。

 

自分が本当に困っていること、知りたいことを具体的な言葉として表現できれば解決策を探す、解決してくれそうな人を探す、という行動ができます。

 

でも、自分が困っていることを「自分の具体的な言葉(言語化)」にはできないけれど、何か引っかかる、モヤモヤしているなんとかしたい。そんなとき、人は何か他者の具体的な言葉(起業やITなど)を取りあげる、それをもって相談に行くという行動を取る、ということをします。

 

それは対話の早い段階で分かります。

このような場合、私はまず相談者の方のお話を伺いながら、落ち着いた頃合いを見計らって適宜、質問を挟んでいきます。私の質問に答えているうちに相談者の方からはいろんな言葉が出てきます。

 

対話の途中でご相談者が質問の回答に窮することもあります。

そんなときはまず待つ。それでも回答が出てこないときは「例えば、こんな感じでしょうか?」「こういうケースもあったりします」などと、その方がイメージしやすそうなものを取り上げて回答しやすい状況をつくります。

 

そうしたやり取りを繰り返すうちに相談者の方の問題や思考が整理されていきます。やがて長らく鍵がかかっていた扉が開く瞬間or 情報のカオスに道筋ができる瞬間が訪れます。

 

モヤモヤしているのはご自身が問題の整理をできていない思考の整理ができていない、そんなときです。そして自分がモヤモヤしていることに気づいている人は少ないです。

 

対話をするうちに「ああ、そうか、自分はそういうことが知りたかったんだ」「困っていたのはそういうことだったんだ」になり、さらに「だから、前に進めなかったんだ」という感想に最後はなっていきます。

 

自分は本当は何に困っているのか、本当は何をしたいのか

それが「言語化」できれば「認識」できます「認識」できれば次の段階に進むことができます多くの方が「言語化」で躓いてしまっているのです。

 

年月の経過とともに自分(自社)も自分(自社)を取り巻く環境も変わっていきます。

VUCA(変動の幅が大きく、不確実で複雑で曖昧)の時代、不安を覚える人も増えています。

 

不安を解消しようと、多くの人はインプットを求めます。

真面目な人ほど知識や情報を沢山インプットしています。

 

実際、ご相談に見える方はいろんな研修を受けたり、コンサルを受けたり、勉強をして資格を取ったり、大学院に行ったりして「インプット」に多くの時間やお金を既に使ったうえで来られる方が多いです。しかし、それが整理されて形になる、腹落ちしたものになる、次に進むものとして使える状態になることはなかなかありません。

 

情報過多の時代でもあり、多過ぎるインプットに対してアウトプットが追い付かない、かえって混乱し、情報のカオスに陥ってしまうケースも散見されます。

 

必要なのはインプットではなく、アウトプット。

これからはインプットよりアウトプットに時間とお金をかける時代」です。

ここでいうアウトプットは「自分の言語化、思考の外出し」です。

 

「自分をアウトプットすること」、是非お試しください。

 

アウトプットには2つの方法があります。

1人でもできるアウトプットは「書くこと」。ただ、自分で書いてもうまく整理できない、意味ある形にならないという方は意外に多いです。

 

もうひとつは「話すこと」。こちらは対話相手が適切でないとなかなか納得できるものにならなかったりします。まずは「この人なら!」と思う人に話してみてください。

 

それでもモヤモヤが解消しない、言語化がうまく進まないという場合はご連絡下さい。

企業様、経営者様に限らず、個人の方のご相談にも応じております。